10月13日~14日の二日間にわたって、The Asia-Norway Environmental Storytelling Network(ANEST)のワークショップが国立台湾師範大学で開催されました。ANESTは環境人文学という分野横断的・学際的な研究交流を目指すネットワークであり、 “Teaching Through and With Environmental Storytelling”をテーマにした本ワークショップには、文学、英語教育、歴史学、文化人類学、言語学など幅広い分野から研究者が集まりました。ノルウェー、台湾、中国、日本からおよそ30名が参加し、10の研究報告と2つのパネルディスカッションが行われました。本学からは文学部英米文学科の結城正美先生、エリン・マクレディ先生、博士後期課程の松木ほのかさんが研究発表をしました。
本ワークショップは小規模ではあったものの、各セッションにおいて活発かつ濃厚な議論が展開されました。分野を越えた対話の困難さよりも、複眼的な視点から議論されることの豊かさや創造性が際立つ会となりました。環境人文学は、既存の思考様式や価値観を問い直す研究であるために、分野という枠組みだけでなく学術的様式をも揺さぶりますが、本ワークショップは結論を一つに収斂させていくのではなく、議論を多層化し、ひらいていくことによって研究の足場を共有しようとする画期的な試みとなったように思います。また、こうした学際的研究交流の成果を教育現場に還元していくために教材の出版についても話し合われ、大盛況のうちに幕を閉じました。今後の継続的な研究交流、さらなる学際的コラボレーションが期待されます。
(文責:清水美貴)
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