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Aoyama Gakuin University
Online Talk#16: "Reading/Writing Climate Change"
Sat, Dec 17
|Online
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Dec 17, 2022, 10:00 AM – 11:00 AM
Online
About the event
Speaker: 橋本智弘(青山学院大学文学部英米文学科准教授)
HASHIMOTO, Tomohiro (Associate Professor, Postcolonial Theory and Literature, AGU)
気候変動という巨大な現実を前にして、文学を読む者と書く者はどうすればいいのか。人間の活動が地層や気候に甚大な影響を与えはじめた時代は「人新世」と呼ばれ、その定義と含意について自然科学のみならず人文学においても議論が進んでいる(例えば、Dipesh Chakrabartyの一連の著述)。一方で、人新世の概念が喚起する、差異化されていない「人間」が「自然」に破滅的な作用を及ぼすというイメージは、帝国主義、家父長制、人種差別といった問題を埒外に置いてしまうのではないかという疑義も出されている。このトークでは、「世界=生態」(world-ecology)のパラダイムを提示する環境史家Jason Mooreとその影響下で斬新な世界文学論を展開する文学研究者Michael Niblettを取り上げ、近代がどのように周縁の地域においてエコロジカルな危機をもたらすか、そしてそれをいかにして文学に読み込むことができるかを考えたい。同時に、作家のAmitav Ghoshの近年の思索を追い、小説において気候を主題化することの可能性と困難について考えたい。私のもくろみは、気候問題を他の近代の諸問題と連続したものとして捉え、文学を通じてそれら問題系を批判的に考える方法を模索することにある。
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