「故郷の池の精霊たち:カワウソ、オオカミ、そして…」
Saturday, 13 May 2023, 10-11:30 AM JST
TORIGOE Keiko (Professor, Soundscape Studies and Design, AGU)
故郷の池(武蔵野三大湧水池のひとつである善福寺池)とその周辺の土地に棲まう精霊たちとの出会いや再会についての報告。報告者は先ず、専門とするサウンドスケープの考え方が基本とするのが「主体と場所」であることを踏まえ、故郷の池を「いつかは向き合うべき場所」として位置づけた。次に、2000年からの自邸(風聴亭)での暮らしや、2010年から現在に至るまで継続している「池の畔の遊歩音楽会」と関連する諸活動のなかで、故郷の土地との対話が深まっていった過程を解説した。そうしたなかで、池の「河童伝説」の正体がかつてその池に生息していたカワウソであると考えるようになったこと。地域でよく目にする護符に記されているオイヌさまは、絶滅したオオカミであること。さらに、自邸すぐそばに位置する大和市神社の御神体が、約100年前にその祠を建てた人の息子が銃で撃ったオオワシであるという証言をもとに、身近な動物が精霊や神として故郷の土地を護ってもらっているという実感を語った。
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