Online Talk#24:"Marsh as a Place of Origin"
- Environmental Humanities Forum AGU
- Jul 13, 2024
- 1 min read
Updated: Sep 14, 2024
Saturday, 13 July 2024, 5-6 PM JST
Speaker: ITO Takeshi (Professor Emeritus, Urban and Architectural History, The University of Tokyo)
「始原の場としての沼地」
伊藤毅(東京大学名誉教授)
都市建築史の立場から大地を眺めると、「沼地」という場あるいはそれを取り巻く環境が示唆する論点は魅力的である。沼地は陸と水の中間形態であり、排水して干拓すれば陸地になるが、水に満たされればふたたび沼に戻る。
近代以降の都市は、沼地という曖昧で不快な環境を忌避し、これを埋め立て、陸地化することに邁進してきた。そして建築は、拠って立つ土地にさしたる疑いも挟まず、大地は永続するものとして造られ続けた。しかし大きな自然は小さな人為環境をいとも簡単に沼地へと戻してしまう。
世界の古い起源をもつ都市を見渡すと、多くの都市は陸と水の出会う両義的な場に建設された。われわれの住む都市の始原としての沼地について、ささやかな話題を提供し、文学的なトポス論との交流を期待したい。
Comments