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Online Book Discussion#6: Reading Olaf Stapledon’s Star Maker(1937)

Updated: Nov 14, 2025

Saturday, 6 September 2025, 10-11:30 AM JST

「オラフ・ステープルドンの『スターメイカー』を読む:

宇宙的多様性が生みだす対立を超越した膨大な実例リストが示す様々な気付きの可能性について」

Commentator: 伊達 直之(青山学院大学文学部英米文学科教授)



 『スターメイカー』は、宇宙の創造者を探索する宇宙史の壮大な実験物語だ。地球人であった語り手の「わたし」は、地球外の「他者」である多種多様な「人類的」な存在との〈他生物・他文化理解〉を克服し、肉体を捨て意識のネットワークとして一体となった、超越的な「わたし(I)」であり同時に「わたしたち(we)」である。「わたし(たち)」は次々に新たな他人類の代表を加えて集合的な多様性を高める一つの「探索者」として、時間を越え、多元宇宙の始めと終わりに絶対意志を探る。「多様性(diversity)」、「想像力(imagination)」と「観照(contemplation)」は一貫した主題だ。探索の過程には、地球上の微小なものごとから、コスモス、マルチバースに至る無数の対立(事象)と、その超克が示される。対立は個々の具体物から、〈神霊spirit/物理現象〉〈わたし/他者〉〈個別性/多様性〉〈遺伝的/環境的〉〈視覚/聴覚〉〈ユートピア/現実〉、等々概念的なものまで。

 作品が書かれた1930年代の、経済恐慌と全体主義の危機的時代背景を踏まえつつ、作品内の個々の対立の表象や、作品の「語り手」や「語りの形式」の文学構造に潜在する幾つかの読みの可能性を指摘し、議論の切っ掛けにしたい。


※テクストは、『スターメイカー』浜口稔訳、ちくま文庫版(2021)を用いる。(用語などで、英語版への言及はあり。)

 
 
 

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